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急な災害 あなたの家は大丈夫?
食品の家庭備蓄のすすめ

一条通病院栄養価 濱田 早彩
「道北の医療」2022年2月号掲載

今から約3年前の2018年9月、胆振東部地震が発生し道内のほぼ全域に及ぶ大規模停電「ブラックアウト」が起こったことを覚えていますか?また現在まで続く新型コロナウィルスの世界的な流行では、世界各地のロックダウンによる物流の停滞や緊急事態宣言による時短営業、外出自粛が余儀なくされました。

なぜ食品の家庭備蓄が必要なの?

このように大きな災害が発生し、物流機能が停止した場合、スーパーマーケットやコンビニの店頭で食品が手に入りにくくなります。また、電気・水道・ガスなどのライフラインが停止した場合、日常生活とはかけ離れた環境で生活しなければなりません。

過去の経験によれば災害発生からライフライン復旧までに1週間以上を要するケースが多くみられ、災害支援物資が3日以上到着しないことや1週間はスーパーマーケットやコンビニなどで食品が手に入らないことも想定されます。

そのため、最低3日分~1週間分×人数分の食品の家庭備蓄が望ましいといわれています。

備蓄食品の選び方

栄養バランスが偏ると体調不良や病気になる可能性があります。栄養バランスを考え、家族の人数や好み、使い勝手に応じた備蓄の内容を決めましょう。

① 主食
ごはん・パン・麵など炭水化物を多く含む、エネルギー源となる食品です。
② 主菜
肉や魚・大豆製品・卵などたんぱく質を多く含む、食事のメインとなる食品です。
③ 副菜
野菜や汁物など、主食・主菜で不足しがちなビタミン・ミネラル・食物繊維の供給源となる食品です。
④ 果物
副菜と同様、ビタミン・ミネラルの供給源となります。
(例)果物缶、果物ジュース、ドライフルーツなど
⑤ 水
生命の維持に欠かせない水は料理や飲料として十分な量を摂る必要があり、災害時には1人あたり1日3リットル必要と言われています。次に紹介する「ローリングストック」で常に必要量を備蓄しておくと良いでしょう。
食料備蓄の例
食料備蓄の例

簡単!「ローリングストック」

普段の食品を少し多めに買い置きしておき、消費した分を買い足すことで常に一定量の食品が家庭で備蓄されている状態を保つための方法を「ローリングストック」といいます。

災害時に使用する「非常食」の備蓄も大切ですが、ミネラルウォーターや缶詰、レトルト食品など日常でも使えるものを「ローリングストック」として備えることもオススメです。

「要配慮者」のための食品備蓄

乳幼児、高齢者、食べる機能(噛むこと・飲み込むこと)が弱くなった方、慢性疾患の方、食物アレルギーの方などは通常の食事では対応できない「要配慮者」となります。それぞれの特性にあわせた食品を備蓄しておきましょう。

● 乳幼児
粉ミルク、レトルトなどの離乳食、多めの飲料水など
● 高齢者
レトルト粥、栄養補助食品など
● 食べる機能が弱くなった方
レトルトの介護食品、とろみ調整食品など
● 慢性疾患の方
疾患に対応した特殊食品など
● 食物アレルギーの方
原因食品(アレルゲン)が含まれていないレトルト食品など
※参考資料
農林水産省『災害時に備えた食品ストックガイド』『要配慮者のための災害時に備えた食品ストックガイド』
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