インフルエンザは抗インフルエンザ薬(タミフル(=オセルタミビル)・リレンザ・イナビルetc)を使用しなければ治らない病気ではありません。これらの薬を発症早期(48時間以内)に使用すると1(~2)日くらい解熱するまでの期間が短縮することが期待されますが、重篤な合併症(脳症など)の予防に効果があるかは今のところ不明です。また早期に解熱しても最低5日間は欠席しなければならないことに変わりありません。
当院では、インフルエンザと診断された方の抗インフルエンザ薬(タミフル(=オセルタミビル)・リレンザ・イナビルetc)の投与については、ご家族の判断におまかせすることとしておりますので、下記をふまえて決定していただくようお願いいたします。
- タミフル/オセルタミビル(内服)・リレンザ(吸入)・イナビル(吸入)という3種類の抗インフルエンザ薬が子どもにも使えます。タミフルは2007年当時インフルエンザ罹患時の10代に転落死などの異常行動の報告と内服との因果関係から10代への投与の差し控えがありましたが、近年の研究で因果関係は他のケースと変わりないことがわかり2018年に10代への使用制限が撤回されました。(なお一回内服のゾフルーザは体制ウイルスの出現が高率であることが判明し、第1選択薬としては勧められないことになりました)
- また漢方薬が使われることもあります。風邪薬によく使われる漢方薬(麻黄湯)が発熱初期の症状の緩和に効果的というものです。副作用の問題はないようです。
- 解熱剤を使うときにはインフルエンザ脳症との関連が問題になっている解熱剤もありますので、使用前に医療機関にご相談ください。
タミフル・リレンザ・イナビルetcは使用するのであれば、発熱後48時間以内に開始する必要があります。タミフル・リレンザ・イナビルを使用する・しないに関わらず、万が一の事故を防止するために、少なくとも発熱期間中はご家族は小児・未成年者が一人にならないように配慮してください。