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小児科 インフルエンザについて

インフルエンザ

インフルエンザにはA型、B型2つのタイプがあります。その年により流行は異なりますが、主にA香港型、Aソ連型、B型のどれかが流行します。症状はどの型もほとんど同じです。家中みんながかかることが多く、ふだん風邪をひかない大人でも高熱が出ます。

 

☆症状☆
ふつうの風邪にくらべて症状がつよいのが特徴です。

  • 高熱が3~5日(~7日)続く。高熱になるため熱性けいれんになる事もあります。解熱剤を使っても熱は下がりづらい傾向があります。
  • 全身がだるい、食欲がない、のどの痛み、鼻水・咳が出る、お腹が痛い、吐き気・嘔吐。
  • 意識障害(反応の低下)やせん妄(幻覚など)・異常行動(走り回る・興奮するetc)などが一定頻度で認められることがあります。

 

☆家庭で気をつけること☆

  • 保温は厚着をさせたりする必要はありませんが、暑すぎない程度の室温に調整しましょう。
  • 食事は「食欲はなくてあたりまえ」くらいに考えて無理に食べさせず、子供の好きな物で消化のよい物を与えます。水分を十分にとるように心がけてください。
  • 入浴は熱が下がり症状が軽くなってからにしましょう。
  • 発熱している期間は子供を一人にしないで必ず大人が見守りをしてください。インフルエンザの経過中で意識障害や異常行動など、いつもとちがう反応が見られた場合は必ず受診をしましょう。

 

☆次の診察☆
元気がなくなった、水分がとれない、何度も吐く、咳で夜も眠れない、筋肉痛、胸痛など、いつもと違うと思ったら、早めに受診してください。また痙攣や意識障害があれば緊急の受診が必要となります。


☆その他☆

  • インフルエンザを発症してから5日かつ、熱が下がって2日(48時間)たってから、登校できます。(保育園・幼稚園児は熱が下がって3日たてば登園可)

 

登校・登園可能な日

 

  • 予防接種を受ける時は、治ゆ後1~2週間あけてください。

 

インフルエンザの治療について

 インフルエンザは抗インフルエンザ薬(タミフル(=オセルタミビル)・リレンザ・イナビルetc)を使用しなければ治らない病気ではありません。これらの薬を発症早期(48時間以内)に使用すると1(~2)日くらい解熱するまでの期間が短縮することが期待されますが、重篤な合併症(脳症など)の予防に効果があるかは今のところ不明です。また早期に解熱しても最低5日間は欠席しなければならないことに変わりありません。

 当院では、インフルエンザと診断された方の抗インフルエンザ薬(タミフル(=オセルタミビル)・リレンザ・イナビルetc)の投与については、ご家族の判断におまかせすることとしておりますので、下記をふまえて決定していただくようお願いいたします。

  1. タミフル/オセルタミビル(内服)・リレンザ(吸入)・イナビル(吸入)という3種類の抗インフルエンザ薬が子どもにも使えます。タミフルは2007年当時インフルエンザ罹患時の10代に転落死などの異常行動の報告と内服との因果関係から10代への投与の差し控えがありましたが、近年の研究で因果関係は他のケースと変わりないことがわかり2018年に10代への使用制限が撤回されました。(なお一回内服のゾフルーザは耐性ウイルスの出現が高率であることが判明し、第1選択薬としては勧められないことになりました)
  2. また漢方薬が使われることもあります。風邪薬によく使われる漢方薬(麻黄湯)が発熱初期の症状の緩和に効果的というものです。副作用の問題はないようです。
  3. 解熱剤を使うときにはインフルエンザ脳症との関連が問題になっている解熱剤もありますので、使用前に医療機関にご相談ください。
 

タミフル・リレンザ・イナビルetcは使用するのであれば、発熱後48時間以内に開始する必要があります。タミフル・リレンザ・イナビルを使用する・しないに関わらず、万が一の事故を防止するために、少なくとも発熱期間中はご家族は小児・未成年者が一人にならないように配慮してください。

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